賃貸契約更新という大きな壁

寿司屋

先日の投稿の私が寿司屋オーナーになったきっかけをご覧になってない方はよかったら見てください。

覚悟を決めてお店を買い取ることにしたのですが、ビルの賃貸契約にてオーナー(契約者)変更に問題が起きます。

うちのお店は六本木交差点間近という好立地。入っているビルも昔からある六本木では有名なビルなのです。回りくどい言い方をやめて結論から言うと私ごときじゃ契約してもらえないのです。

賃貸契約の更新ができなければ全て水の泡。これに対して前会社が取ってくれた行動は、『いかに新オーナ(私)という社員のおかげでこの店が成り立っていたのか』という私の能力を高評価したプレゼンでした。

仕方ないとは言え、会社の人間が言っていることに、反義をして真実を確かめようとするビル側の発言に、経験の浅い私はいちいち傷つき、なぜこんなことを言われなければいけないのかと、発言も少なく、自信なさげで、どんどん俯き加減になる。

そんな私を横目に、前社長の指示で同席してくれた前会社の子会社の社長は、ひたすら私の仕事ぶりを評価し続けてくれました。同席者とビル側の軽い論争にも似たこの光景は、悔しいのと嬉しいのが本当に入り混じった感情で、今思い出しても胸が締め付けられる思いです。

度重なる交渉の結果、条件付きで契約更新は認められることになりました。その条件とは、

【私以外にもう一人、社内(私が立ち上げる新しい会社)以外であり、尚且つ親族以外の人で保証人を立てること】

結論から言うと、こんな人いないのです。あなたなら、自分の親族でもなければ勤めている会社でもない全く関係のない事業の不動産の保証人になんてなりますか?答えは出ています。

この時浮かんだ一つの方法も、瞬間に打ち砕かれます。その詳細はまた別で。

結果困り果てた私に手を差し伸べてくれたのは、前会社の社長でした。今後何の利益も獲れないうちの店舗の【保証人】になってくれたのです。

恐らく、会社の意向で突然の決断だったことへの責任などを感じてくれたのだと思います。

勤務していた店舗がなくなる→失業?→好条件で新オーナーに?→ところが契約更新不可能?→人の裏切り→店舗閉鎖?と、短期間に目くるめく状況が変わって精神的にもきつかったのを覚えています。社長には、本当に感謝してもしきれません。

社長によく言われたことがあります。
「お前に甘えるという能力が加われば、きっと天下取れるぞ」と。

社長は私の性格をまじめで対応能力や対人能力も高い。と評価してくれていたけど、その反面人に甘えたり可愛げが足りない。と笑いながらよく言っていました。今思えば私もそう思います。この言葉は、後の私の性格に確実に影響を与えたと思います。

こういった経緯で晴れて私が新オーナーとなって店を継続できることになり、心機一転スタッフも気合入れて仕事に励み、独り立ちをするのです。前会社との関係はというと、借金の返済とたまに『元気でやってるかー?』と社長や子会社の社長、社員の方々がお店に遊びに来てくれる。

それもそのうち頻度が下がり、借金も完済して少し前会社とは縁遠くなっていたとは思いますが、関係性的にはつかず離れずではありますが良好だったと思います。

ある日店に、前オーナーの訃報が届く、その日までは。

コメント

  1. ゆうゆう より:

    貴女のブログ初めて拝見しましたが、人生等々を語れば、1編の小説が出来そうな波乱万丈な人生を送って努力しておられる姿に感服致しました。 
    頑張って下さい。

    • 女将 より:

      ゆうゆうさんありがとうございます😭
      現在さらにコロナという困難にぶちあたっていますが、なんとかできる限りのことはしようと思います。
      コメント本当に励みになります‼︎嬉しいです‼︎頑張ります✨✨

タイトルとURLをコピーしました